データファイルに「最終版」とか命名するヤツは無能かもしれない
今回の記事は、半分ほど体験談の記事です…。
かつて自分が新入社員だった頃、センパイに叱責されたことの一つが、ファイルに『最終版』とか命名するやつは無能…!」ということでした。
目次
データファイルに「最終版」とか命名するヤツは無能説!
「最終版」とは?
たとえば、2017年5月1日に発表があって、そのためのパワポ資料を作っていたとします。
▼データ名
doc_for_20170501.pptx
で、資料が完成したところで、
▼データ名
doc_for_20170501_完成版.pptx
など命名してしまい、これがさらに最終確認も終わって、
▼データ名
doc_for_20170501_最終版.pptx
というように命名したとすると、「最終版」というデータファイルが生まれます。
最終版という名前のデータファイルは危険!
じつは、最終版という命名の仕方は、かなり危険です。
なぜ危険なのか分からない方は、バージョン管理の意識がうすいのかもしれません。
たとえば、下記を見てください。
doc_for_20170501.pptx
doc_for_20170501_完成版.pptx
doc_for_20170501_最終版.pptx
先ほどの経緯を知っていれば、たしかに「最終版」が最後のバージョンだということは分かります。
しかし、これが期間を経たり、第三者が見比べた時、必ず戸惑います。
完成版と最終版ってどっちが最新のバージョンなの…?
最終版という名前は、まったくもって公用語ではない
学生論文あるあるなのですが、ゼミや研究室などで、センパイの卒業データなどを見ていると、こういうデータの並びを見ることもあります。
鈴木_卒論_最終版.docx
鈴木_卒論_最終確認版.docx
鈴木_卒論_教授確認終了版.docx
鈴木_卒論_最終確認終了版.docx
いかがでしょう。
どれが最新のデータかわかりますか?
はっきり言って、パッと見ではさっぱり分かりません。
エクスプローラーやファインダーで、データの更新日時を見れば分かるのでは?と思っても、じつはデータを移動させていたり、どこかのタイミングで開いていたりして、本当にそのデータを最後にいじった時間が更新日時になっているか、曖昧だったりします。
そうなると、データの中身を見てみて、見比べてみる…?となりますが、もう、その時点で膨大な工数のムダが生じてしまいますよね。さらにデータの確認中、最新データでないものを修正・編集してしまい、タイムスタンプが狂い、データがめちゃくちゃにこんがらがってしまう危険性もあります。
そして、最新版のデータがどれかわからなくなった時に起きる問題が「先祖帰り」です。
先祖帰りはヘイト感情を起こす
先祖帰りは「昔のデータに加筆・修正を加えてしまうこと」を意味します。本来は最新版データを更新しないといけないのに、古いバージョンのデータを更新してしまうことで、データがめちゃくちゃになってしまうことを意味します。
ある程度のデータリテラシーを持った社会人の過半数以上は「先祖返り」を忌み嫌っています。「先祖返り」をすると、職場の人にかなり嫌われるので、要注意です。
そのため、少なくともビジネスシーンにおいては、データの管理をする上で「最終版」なんて表現は絶対にやめましょう。正確性に欠けますし、先祖返りの危険性も生んでしまいます。
センパイに怒られた体験談
新人時代、自分も、社内用のデータファイルの名前を「最終版」にしたことがあります。もちろん、めちゃくちゃ怒られました。
理系でエンジニアともなれば、バージョン管理は必須で知っておかないといけないし、ナレッジマネジメントの意識も持っておくのが普通だからです。
この時は、本当にめちゃくちゃ怒られて、「無能」と何度も繰り返し散々に言われました。今では良い思い出です。
最新版データの正しい命名方法は?
では、いったい、どのようにデータファイルのバージョン管理をすれば良いのか。
カンタンにですが箇条書きにすると、下記の感じです。
<ソースコードの管理方法>
・Gitなどのバージョン管理ツールを導入
<Officeソフトなどのローカルドキュメントの管理方法>
・ファイル名の最後に最終更新の日付など入力して手動でバージョン管理する
・googleドキュメントに保存して自動的にバージョン管理させる手段もあり
(ただし、googleドキュメント環境による機能制限は受けてしまう)
大事なことは、とにかく「最新版を確実に残す」というところが重要です。
自分がよくやる方法を紹介すると、下記の感じです。
<カンタンにバージョン管理する方法>
フォルダ「発表用資料」
-ファイル「発表用資料_ver170530.pptx」
-フォルダ「backup」
--ファイル「発表用資料_ver170501-2.pptx」
--ファイル「発表用資料_ver170501.pptx」
--ファイル「発表用資料_ver170510-3.pptx」
--ファイル「発表用資料_ver170510-2.pptx」
--ファイル「発表用資料_ver170510.pptx」
--ファイル「発表用資料_ver170515.pptx」
--ファイル「発表用資料_ver170518.pptx」
上記の場合、最新版を常にトップディレクトリに保存しておき、過去のバージョンになったものは、すべて「backup」というフォルダに保存するようにしています。
ソースコード・ドキュメント問わず、さくっと最新版管理したい時に、ちょっと便利です。(見るひとからすれば、微妙・ぬるい、といわれると思いますが・・・。)
最も安心なのは、やっぱりバージョン管理ツールに頼ることです。(とはいえ、バージョン管理ツールの使い方がわからなくてバージョンがめちゃくちゃになるヒューマンエラーというのもあるのですが…本当にバージョン管理って難しい話題です。)
まとめ
データファイルを管理するには、バージョンの意識がとても大事です。まちがっても「最終版」という、主観に満ち満ちた表現方法を使わないように気をつけましょう!
社内ルールがあれば、その方法に従うのが一番です!