日本の子ども「幸福感は世界最低レベル」に違和感。日本人は素直なYESを言わないだけ説
先日、ユニセフ調査にて、日本の子どもは身体的な健康には恵まれても「精神的幸福度」の分野で最低レベルだと発表されました。
どのような調査方法かにもよりますが、もしアンケートを取るような方法だったなら、「これはアテにならない」と思います。なぜなら日本人は素直にYESと言わないことが多いからです。
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そもそも日本人の性格は素直に肯定をしない
実例から挙げますと、多くの人が、今までの人生で、こんなやりとりをしてきた経験があるのではないでしょうか。
「テスト勉強やった?」
⇒「ぜんぜんやってないよ。やばい」
(実は大分やっちゃってる)
「今、幸せ?」
⇒「いや、べつに。ふつうかな」
(自分の幸せどうこうより、むしろ、そういう質問する人に恐怖を感じて、本音を言わない)
「かっこいいね(可愛いね)」
⇒「そんなことないですよ」
(出る杭は打たれるので、ひとまず謙遜。もしくは本当に否定的に思っててそう言う)
「これ、好きなんだね」
⇒「いや、そんなことないけど……」
(見抜かれてることに対し、なんとなく本音を隠す)
もちろん、素直に「うん!」と100%の肯定で言える人もいます。
ただ、多くの日本人は、濁した返事をしたり、控えめな回答をすることが一般的です。
ですので、もし幸福度を試すアンケートをしていたとすれば、これはちょっとひねくれた回答をしてしまうことが多いため、あまり参考にならないというのが、私個人の意見です。
実績のあるプロでないと自信を持てないことが多い
ちょっと前に、テレビ番組で、女性に「自分の容姿は何点?」という街角アンケートを実施していました。
結果、多くの日本人女性は「40~70点くらい」という回答で、「90点以上」という強気回答をできたのは、モデルさんなど"美"を本職とした方のみでした。一方、アメリカのおばちゃんなどは「100点よ! 神様がくれた健康的な肉体に不満なんて何一つないわ!」という感じです。
確かに、このシーンだけを切り取ると、アメリカのおばちゃんのほうが清々しい結果で、とても満足してそうに見えます。
しかし、これはただ単に「質問に対する受け取り方が違うだけ」という見方も出ます。
日本人の女性は、自分より可愛い人を知っていたり、自分の目標とする姿があったり……そんな、けっこうストイックな考えが先行して、厳しい相対評価を自分に下すから、自己評価の低い回答をしますが、アメリカのおばちゃんなどは「満足しているかどうか」という絶対評価の視点で回答をしています。
もし、この時の質問を「自分の顔や容姿を不幸だと思いますか?」という内容にすれば、みなさんの回答もまた変わったものになったのではないかと思います。
日本人の性格上、これに素直にYESとは言わないでしょうし、「さすがに不幸とまでは思ってない」という回答が目立ってくるのではないでしょうか。
幸せと答えられなくても、幸せを感じている時間はある
自己評価の低い日本人ですが、たとえばライブやイベント、ディズニーランドなどのテーマパークで楽しんでいる人に、「今、楽しいですか?」みたいなことを聞くと、「最高!」みたいな返事が秒で返ってきます。また、美味しいものを食べている時は、「うまい!」という感じで、きちんと反応をしてる人が多いでしょう。
他にも色んな実例があると思いますが、まとめると、平常時に「幸せ」と言えなくても、日々の生活の中においては「幸せを感じている時間は確実に存在している」ということです。また、そういう時であれば、素直にYESと言えたりするのも日本人です。
日本人の素直なYESは、ケースバイケースで発せられることが多いと感じます。
幸せに慣れ過ぎて、幸せの判断が厳しくなっている背景もあり
少し前に、廃棄前提おじさんなどが話題になりましたが、あれはちょうど幸福度に慣れ過ぎてしまった良い悪例だと思います。
普通に喜べば良いところを「俺はもっと幸せになれた経験がある。ここはまだまだ」などといった厳しい相対評価を、自分だけでなく他者にまで始めてしまうのです。
廃棄おじさんのことはさておき、日本には、美味しいものや娯楽、ホスピタリティなどに溢れています。その反面、幸せを感じるラインがどんどん高くなっていることも、幸福度を感じにくくなっている背景にあるかと思います。
「このくらいで喜んではいけない」
というストイックな思考が、どこか備わってしまっているのです。
まとめ
このように、日本人は「幸福度が低い」というより、単純に「面倒くさい性格をしているだけ」というのが答えな気がします。
そして、日本の子どもというのは、そんな今の現状に満足していない大人たちの姿をしっかり見ていて、同じように「素直なYES」をなかなか言えないように育っているのだと思います。
もちろん調査のやり方にもよるのですが、たとえば「あなたは不幸ですか?」、「あなたには生きる希望が全くありませんか?」など、徹底したマイナス面からのアプローチをしていくと、案外、良い評価になっていくのかもしれません。
とはいえ、「面倒くさい性格をしている=不幸」と言われたら、それまでなのですが。