日商簿記検定は紙とCBTどっちを受けるべき? 今はネット試験がオススメ!
2021年、ネット試験(CBT形式)にて、日商簿記3級と2級に合格できました。
これから受験される方は、従来の紙試験と新しいネット試験のどっちを受けるべきか悩んでいるかもしれませんが、「合格の価値はどちらも同じ」と商工会議所が公式でも見解を示していますので、今はネット試験を受けたほうが圧倒的にオトクです。
以下、詳しく紹介します。
目次
日商簿記の3級と2級はネット試験で受けるほうがオススメな理由
紙もネットも合格の価値は同じで変わらない
まずは公式HPを見てみましょう。
CBT方式のネット試験の合格と統一試験であるペーパー試験の合格は同じ扱いとなりますので、履歴書等には「日商簿記検定試験(●級)取得」と記載していただけます。
※紙媒体、カードタイプの合格証の発行はございません
このように、ネット試験の合格も、従来の日商簿記と同じ扱いとして履歴書に書けます。
ですので、日商簿記3級も日商簿記2級も、紙の試験とネット試験で価値が同じとなります。
今後はペーパー試験も残るが、試験内容はCBTに合わせていく
今後、簿記試験の紙試験は「統一試験」という名称になり、年に何度か開催されますが、その試験内容はCBTの90分形式に合わせたものに調整されていくそうです。
そのため、もう少し時間が経過すれば、紙だからとかネットだからって分類もなくなります。
ネット試験はいつでも好きな時に受けられる
基本、CBT形式のネット試験は、受験者が好きなタイミングで自由に受験できます。
従来の紙試験のように、一年のうち限られた回数しか受けられないということもなく、連続して受験することも可能です。
つまり、受験して「あと少しだったのに!」とか「すぐに再受験すれば次こそ受かる!」って時、数か月とか半年を待たず、すぐに再挑戦できるわけです。
こんな素敵な制度、利用しない手はないと思います。
ただし、注意点としては、年に数回、ネット試験を休みとしている時もあるみたいなので、受験を考える時はきちんと事前にスケジュールなど確認するようにしてください。
日商簿記にて年3回の受験停止期間を設けることとなりました。
恐れ入りますが、該当期間で受験はできかねますこと予めご留意いただけますようお願い致します。【対象期間】
・2021年6月7日(月)~ 6月16日(水)
・2021年11月15日(月)~ 11月24日(水)
・2022年2月21日(月)~ 3月 2日(水)※お申し込みは随時可能です。
対象期間外での日程で受験日をご検討ください。
現在進行形でルールが色々と決まっているので、適宜確認していくことが大事です。
ネット試験のほうが紙試験より優しい?
SNSやブログ、Youtubeなどでは、「ネット試験は狙い目」という意見をよく見かけます。
昨今の簿記2級は難易度がすごく上がっており、ひどい時は合格率8%近くという、もはや1級レベルの難しさになっている時もあったそうです。
それに比べると、ネット試験は勉強した分だけ報われる内容にはなっているようで、再挑戦もしやすいこともあり、従来の紙試験より受かりやすくなっているのは確かだと思います。
また、ネット試験の制度が始まったのが2020年頃からなので、まだ問題の作りこみも浅く、いわゆる絶妙な難問が少ないという状態でもあるようで、早めにゲットしておくことが推奨されています。(今後どのようなルール変更があるかわかりませんので…。)
ただし、当たり前の話ですが、いくらカンタンになっているとはいっても、大前提、きちんと勉強していないと合格点を取ることは難しいので、そこは勘違いしないほうが良いです。紙でもネットでも変わらないことの一つは、簿記2級自体が結構な勉強量を求められる資格試験であることです。
簿記2級の合格率は紙試験よりネット試験のほうが良い
今現在の合格率を見ると、3級だと紙もネットもあまり変わらないのですが、2級だとネットのほうがダントツに受かりやすいです。
・3級 受験者データ 合格率一覧(ペーパー試験)
https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class3
・2級 受験者データ 合格率一覧(ペーパー試験)
https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class2
・2級、3級 受験者データ 合格率一覧(ネット試験)
https://www.kentei.ne.jp/35042
最近の簿記2級は昔に比べてかなり難しくなっているせいで、紙試験だと合格率ざっくり15%~30%くらいという感じです。しかし、ネット試験では今現在だと合格率ざっくり40~45%ほどなので、紙試験に比べると圧倒的に受かりやすいことがわかります。
これはネット試験の簿記2級のほうがすごくカンタン、という単純な話だけではなくて、ネット試験だと自分の好きなタイミングで受験できるので、きちんと勉強を仕上げてから受ける人が多いから、必然的に合格率も高くなっているのだとも思います。そのため先ほど書いたように、紙とネットどちらにしても一定量以上の勉強は必須です。
ネット試験のデメリットは「パソコン操作」であること
著者はデメリットと思いませんが、パソコン操作が苦手な人にとっては辛いと思います。
ただ、簿記の知識を使う経理の仕事は、今後ほとんどパソコン作業となっていきますので、将来のことを考えて受ける人はパソコン操作にも慣れる意味で、ネット試験を受けていったほうが良いと思います。
どうしてもパソコン操作が無理という人は、統一試験を受ければ従来通りの紙試験ですので、最悪は、ネット試験を諦めてしまう選択肢もあります。
システムエラーのトラブルに注意
最近は減少傾向にあるみたいですが、CBT形式のネット試験では、たまにシステムエラーなどのトラブルで採点不良などが起きます。
じつは自分も、今回1回目の受験ではシステムエラーに巻き込まれて、2回目の試験で合格しました。(初回の不合格はトラブル原因なので、一応、2回目受験しているものの一発合格できた、としています。)
詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
まとめ
ネット試験は始まったばかりの制度ということもあり、今が狙い目でもあるそうです。
これから簿記を取りたいと思っている人は、コロナ禍のステイホームで思い切って日商簿記取得を日々のルーチンにしても良いのではないかと思います。
注記
今後、色々とレギュレーション改正されて、ネット試験が難しくなったり、何度も挑戦できなくなる可能性もあります。本記事はあくまで2021年時点での参考情報として扱ってください。
参考
実際に2級と3級の試験に受かった時の体験談はこちら。