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映画「シン・ゴジラ」を観た感想は「人間の生き方」 だと思った!

映画「シン・ゴジラ」を観た感想を紹介したいと思います。

色々と話題になっているシン・ゴジラ。

小さい頃、とても大好きだったゴジラ。それが12年の時を経て、庵野監督が製作ということで、さっそく映画館に行ってみたところ・・・従来のゴジラとはテイストが異なり、いわゆる「とても考えさせてくれる系」の映画になっていました。

個人的な感覚ですが、「エヴァンゲリオン・風の谷のナウシカ(漫画)、寄生獣」などの作品が好きな人には、たまらないと思います。というわけで、余韻の冷めきらないうちに感想を書きたいと思います。

※読者が視聴したこと前提で書きますので、ネタバレ記事です。映画を観ていない人は、読まないように気をつけてください!

シンゴジラの個人的な感想!

シンゴジラから感じたテーマ

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自分が感じたシン・ゴジラのテーマは、「人間の生き方」でした。

映画を観ると分かりますが、今作のゴジラは「人間がゴジラという放射能を巻き散らす生物災害をどのように処理するか」という作品になっています。

「謎の巨大不明生物なんてありえない」とタカをくくっていたら、ボコボコに街を荒らされ、いざ戦ってみて誘導弾含む16,000発の弾薬をぶちこんでも駆除できず、さらに壊滅的な状況に追いやられる。首都から立川まで戦線を余儀なく撤退させられ、劣勢を虐げられ、各首脳国による核兵器の殲滅を決定された中でも、自国の被害を最小限に留めるべく、ゴジラの弱点を調査検討し、最終的に「凍結」という作戦に成功して、物語は幕を閉じます。

作中では、ただ叫ぶだけでは何も解決せず、「明確な原因を突き止めて、その具体的な解決法と行動」を取って、ようやく問題は善処されていきます。そして、最後に主人公が言ったことは「人間はゴジラと向き合って生きていかなくてはならない」ということでした。

どんなに絶望的な問題であろうとも、原因を追及して、解決して、生きていく・・・。漫画版・風の谷のナウシカのように、「人間の生き方」をテーマにした力強い作品なのだと感じました。

原発問題との関連

シンゴジラを見て思ったことは、やはり3.11事件の原発問題でした。放射能問題という以上、思い出さないわけにはいきません。

最終的にゴジラは凍結し、まるで原発のようになって、人類の課題として残ります。もちろん怪獣と人工物という違いはありますが、しかし、根本としてあるのは、どちらも「人間が放射能物質を使い続けたことにより負うことになったリスク」ということです。

今作のゴジラの発生原因は、作中で明らかにはなっていませんが、人間の廃棄した放射性物質をエネルギーにして進化していたことが語られています。結果、壊すこともできず、凍結して問題を先送りにすることのみが人類にできる最善でした。

「さすがにゴジラは出ないから大丈夫」

まあ、自分もそう思います。

しかし、

「原発は安全だから大丈夫」

あの日までは、皆がなんとなくそう思っていたはずです。

安易な希望的観測は、カンタンに裏切られる。それが現実です。

原子炉関連の重大なニュースがテレビでうっすらとしか流れないようになった今のタイミングで、こういった作品を世に出したことは、とても意味のあることだと思いました。

シンゴジラの個人的な見所!

ゴジラのかっこよさと、暴れる演出と迫力

本作のゴジラは、とにかくめちゃくちゃカッコいいです。第一形態~第四形態とか、みんなの大好きなツボをよく分かってらっしゃる。しかも暴れるシーンは、今作最大の見どころだと思います。ゴジラの吐き出す放射火炎や、都市の崩壊する映像は、まるでハリウッドの大作を見ているかのようなド迫力です。やっぱりゴジラは二足歩行だなってしみじみ思い出しました。(なんか、一時期ゴジラを名乗る巨大トカゲがいたような気もしますが、気のせいでしょう。)

・・・ちなみに、とある初号機さんを思い出してしまうのは自分だけではないはず・・・。至急、拘束具つけてあげて、と思いました。

また、都市・怪獣だけでなく、人間側の描写も見ごたえ抜群です。戦車・戦闘機・在来線などの機体に加え、管制統のやりとり、至る所で膨大なデータに基づく、緻密な描写が成されています。たまらずBlu-rayなどでじっくり見返したくなります。

MX4Dで見ると、なお大興奮ですので、初MX4Dの作品にも、ぜひお薦めです!

怪獣シーン以外のエンターテイメント要素

シンゴジラは、怪獣シーン以外の人間パートの部分が、基本的にエヴァっぽいです。なにしろ、まったく同じBGM出てきますし、キャラクターや物語の進行具合などはエヴァそのもので、石原さとみの「ゴッジー↑ラ」は、ミサトさんの「エヴァ―↑」しか思い出しません。そのへんは「庵野」ブランドに釣られた人のサービスにも思えます。要するに、面白いってことです。

それと個人的に勝手にツボってたのが、序盤の首脳陣たちの無能っぷりを示す滑稽な様子でした。まるで「踊る大捜査線」のようで、これは「エヴァ」→「踊る大捜査線」→「ゴジラ」という、引用に続く引用なのでは、と思ってしまいました。問題発生→国の会議→自衛隊との連携→現場といった描写の切り替えが、とても面白く、後手後手に回る情けない老害の姿に憤慨する主人公と一緒になって、いら立ちを覚えることもできます。

一週目では気づけない緻密なこだわり

シンゴジラは、監督自身が防衛省に取材したことなどもあり、かなり膨大な情報のもとに緻密に作られている作品です。背景やモブ、機体、設備、台詞など、一つ一つ細かく見ていくだけでも楽しみだと思います。

とくにゴジラ登場後の日本を緻密にシミュレーションされているようで、まさか怪獣の登場によって、円安だの、日本の国際的価値の低下だの、西日本の土地高騰など、そんな経済の情報まで得られるとは思いませんでした。また、ネットで知ったのですが、たとえば「ヤシオリ作戦」という名称一つ見ても、日本神話でスサノオがヤマタノオロチを撃退するために飲ませた酒の名前(八塩折之酒)から由来しているなど、繰り返して見たり調べてみないと、視聴者の気づけていないことは多々ありそうです。

まとめ

「ゴジラ」が主役というより、「人間」が主役で、小さい頃に好きだったゴジラとは違う切り口のテイストでしたが、庵野節炸裂のとても見ごたえのある映画でした!

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