【体験談】元・理工系大学生が過ごした研究室ライフを参考までに書いてみる
著者は過去、理工系(機械系)の大学におり、学部生と院生、合計3年間ほど研究室で過ごしたことがあります。
というわけで、これから理工系への進路や、研究室がどんな場所なのか気になる人のため、自分の研究室ライフを参考までに書いてみようと思います。(昔の日記みたいなものなので、他の記事に比べて、くだけた文体でいこうと思います。)
目次
研究室の体験談(学部生時代)
まずは学部生時代の研究室の体験談について、書いていこうと思います。
まずは歓迎会!
当たり前ですが、ほとんどの研究室では、初日に歓迎会(飲み)があります。
居酒屋に飲みに行く研究室もありましたが、自分のいた研究室では、先輩たちが準備をしてくれて、近くのスーパー(お惣菜)や宅配などで酒や飲み物を購入して、研究室にズラリと並んでいました。
そんで最初は順番に自己紹介していったり、きちんとした感じで進行。
1時間ほどすると、教授が空気を読める人だったので、「俺がいると邪魔だろう。あとは学生同士、色々話して仲良くなれ」といって退散。
そっから先輩方が研究室の裏トークだったり、趣味の合う人を見つけたり、くだけたトークをするようになっていき、初日にして、だいたいの空気が判明。
酒や食べ物があらかたなくなってきて、だいたい3時間ほどで、ひとまずの〆。
家が遠い人や、女子が帰宅した後、さらに二次会が始まり、そっからのトーク内容は・・・まあひどいもんなので、割愛。
個人的な感想として、理系の人との飲み会で良いなって思うのが、「一発芸」とか、そういった体育会系が好きなノリがほとんどないことです。また、酒が飲めないといえば、無理に飲まされるようなこともありません。
ちなみに歓迎会以降の研究室飲みは、年に数回くらい程度で、あとは仲の良い人たち同士で自由に、という感じでした。
趣味の許容範囲の広い人が多いので安心!
なにしろ理系ですので、色んな趣味の人がいます。これまで話さなかった人でも、研究室に在籍してから趣味が合うことが分かったりして、急速に仲良くなることも珍しくありません。
ゲームの全国大会で優勝していたり、ものすごくマイナーな漫画に詳しい人だったり、ひたすら雀荘に行ってた人だったり、車やバイクをイジイジしたり峠攻めしている人だったり、休み中はずっと雪山でスキースノボに明け暮れている人だったり・・・まあ色んな人がいますので、自分の趣味が多少変わっていても、とくにヘンな目で見られることはないです。
ちなみに、著者がオススメする理系大学で便利な趣味は麻雀です。なぜかというと、大学にいる麻雀好きの人って、だいたい事情通だったりするので、色んなアングラな話を聞くことができるからです。他の研究性の話だったり、教授の話だったり、また就職などの真面目な話もたくさん聞けたりするし、その上で仲良くなれるコミュニケーションツールなので、かなり良いです。(ちなみにこれは社会人になっても一緒。)
問題は・・・人によってレートが発生しうるので、あんまり懐に優しくない卓は囲まないようにしたほうが良いです。(大学あるあるですが、必ず一人はめちゃくちゃ強い人がいるので、露骨に初心者だとカモられます)
普段は先輩に色々学んでいく
自分の研究室では、一つの研究テーマごとに「院生数名+学部生数名」のチーム体制で研究をするところだったので、基本的に教わることは、教授でなくて、センパイから学んでいました。
教授は、たまーにきて進捗を見たり、質問をしに行けば答えてくれたり、あとは定例会でレビューしたり、会社でいうところの完全な上司の役割でした。
なお、研究室によって、教授がものすごく指導するところもあれば、まったくの放任主義というところもありますので、こういう指導体制は研究室次第となります。
研究室の出席は任意
自分のいた研究室は、月曜~金曜の10時~18時を基本的な定時としていましたが、強制ではなく、センパイによっては完全に夜型の人もいて、昼~夕方にきて、夜中に帰っていく人もいました。
ただ、教授は原則、定時で帰るので、質問したいことがあれば、きちんとした時間帯に研究室へ行く必要があります。
また、こういったスケジュールも完全に研究室次第ですので、強制で出席させるところもあれば、まったく放置しているところもあります。規則の厳しい研究室だと、遅刻するとペナルティがあったり、さらにはバイトなどを禁止しているところもあります。
夜は遊ぶことが多い!
これも研究室次第ですが、自分のいた研究室では、夜の20時以降は、遊びになることが多かったです。
というのも、なぜかは知らないんですが、研究室ってところには、最新のゲーム機だったり、対戦ゲームの入ったパソコンだったり、あれこれと漫画だったり、麻雀牌だったり・・・そういうものがなぜかあるんですね。不思議です。
で、夜20時以降になってくると教授たちも帰宅しているので、そういうことになりやすいわけです。
翌日が土曜日だったりすると、徹夜で麻雀!なんてことも少なくなかったです。
他の研究室との交流もあり!
インドアな遊びだけでなく、事前に他の仲の良い研究室と調整したりして、フットサルなどのスポーツをすることもありました。
自分は当時やっていなかったので参加しませんでしたが、スキースノボなどの雪山旅行といった企画もありました。
研究室っていうと、なんだか難しそうなイメージありますが、所属しているのは遊びたい盛りの大学生ですので、理工学系でも、けっこうアクティブに活動します。
研究室によっては、合宿だったり、バーベキューだったり、まあ楽しいことが多いです。
もちろん遊びだけではなくて、研究は大変!
ここまで遊びのことばかり書いてしまいましたが、もちろん本業は研究です。
そんで、この研究ってやつは、当たり前と言えば当たり前ですが、けっこう大変です。
教科書の問題と違って、まず答えが必ずあるわけではないですし、過去のデータなどで誤った答えが答えになっている場合もあったり・・・とにかく時間がかかります。
勉強と研究の大きい違いは何かといえば、これまでの「自分がテキストを読んで学ぶだけだった勉強」から、「自分の読み解いて作業した内容を第三者にも分かりやすく情報共有できるようにしてフィードバックを受けながら研究テーマを全体で進めていく活動」になっていくことでしょう。
仕事のプレ準備という感じです。
そして当然ですが、周りに報告・説明をするということは、ダメ出しもくらいます。教授によっては、鬼のように指摘する人もいるので、ココロオレルという状態になる人も少なくありません。
理系は、一発芸などの騒がしいハラスメントはありませんが、こと"誤り"については敏感で、時にものすごく毒舌・辛辣になることが少なくありません。
まあ、社会人になると、もっと厳しい内容になりますので、一種の修行と思って、精神を鍛えることに努めることが大事です。(もし大学の研究で心が砕けてしまう人は、そもそも設計職などは向いていない可能性がありますので、進路自体を見直すことも大事。)
学会発表はさらに大変!
院進学をする研究生は、必ず学会発表への参加が求められます。
これはつまり、期日までに研究の成果を挙げて、その事実を第三者にも明確に数値的に説明する、資料作成および発表準備をしないといけないわけです。
学会には、他の大学の教授や、企業の人も参加するので、普段はノンキしている教授であっても、この時ばかりはチェックが相当に厳しくなります。論文・発表資料については、たった一つの文字や数字の誤字・脱字ミスも許されないレベルで推敲・チェックがされます。
あまりの工数に、発表直前、研究室に寝泊まりする人も少なくないので、早めの準備は超大切です。
(なお、成果が出るか出ないかも分かっていない状況で、学会参加を決めるような場合もあって、この時はなかなかのデスマになります。)
自分は学部生時代は学会参加しておらず、院生になってから学会参加したのですが、まあ研究室に泊まりましたね・・・。同期の一人に至っては、飛行機や電車の移動中や、ホテルに宿泊している時でもパソコンを叩いて、発表当日の寸前まで発表資料を作っていることもありました。
学生の頃って、業務効率みたいのを考えずに作業するところがあるので、今にして思うと、本当にアホだったと思います。(そもそも論文作成するのに、テキストエディタでなくて、wordなんか使ってる時点でお察しだし、パワポ資料作るにしても、ショートカット機能をまるで駆使できていなかったので。)
効率良い作業の仕方は自分で探すべき!
社会に出ると分かるのですが、教授も先輩も効率悪い方法を取っている場合は少なくありません。マクロだったり、ショートカットだったり、便利なアプリだったり、大学生のうちに作業を時短できる方法を習得しておくと、大学生活および社会人生活がともに有意義になります。研究室以降の勉強は教わるものではなく、見つけていくことが大事です。
当たり前だけど、卒論も大変
"質"の部分にこだわると、学会発表のほうが神経を使いますが、大学の卒業論文・修士論文は、"量"の意味でも大変です。
研究内容を全部で200P~300P近くの論文にする作業は、正直、吐きそうになります。しかも当然ながら一筆書きではなくて、何度も推敲してチェックする必要があります。
また、論文を作っている中で、研究内容の間違いを見つけてしまった時は最悪です。まさに地獄の始まりで、「研究室お泊り会へようこそ(はぁと」という展開になります。
そして締切を過ぎると、ガチで卒業できなくなるので、研究生の冬休みってやつは、本当に正念場です。大学4年生や修士2年生で、冬休み丸々遊びに使えるような人は、よっぽど計画的に研究してきた人か、一時の現実逃避に走って後の地獄を覚悟している者、もしくは何かを諦めてしまった人のいずれかでしょう。
アルバイトや習いごとの両立はかなり難しい
アルバイトや習いごとは、繁忙期でなければ大丈夫なのですが、学会発表や論文発表、はたまた就活などのある時期に両立させることは、けっこう至難の業です。
また、スケジュールに余裕があるからといって、研究以外のことに時間を使っていると、その時期に研究を進めなかったシワ寄せが後になって噴出することもあります。
なので、研究室にいる際は、たまの日雇いだったり、なるべくアルバイトの時間は削るようにしたほうが良いです。(研究室によっては、原則禁止になっているところも多いです。)
おまけ:研究でココロオレル人たち・・・
大学では、途中でフェードアウトしていく人たちがいますが、研究室もまた然りです。
研究は早め早めに計画的かつ自主的に取り組んでいかないと、のちのち地獄になっていきますので、その地獄に耐えきれず、失踪してしまう人も少なくないです。
日頃から、コツコツ頑張るようにしましょう。
まとめ
なんか、要点もなく、ダラダラと書いてしまいましたが、とりあえず研究室って、きちんと過ごしていれば、結構楽しいところ+人生で一回きりのものなので、全力で取り組んでみて欲しいと思います。
また、研究では、答えがない問題に取り組む以上、一人で挑むと死ねるので、これまで以上に先輩や教授とのコミュニケーションを大事にしましょう!