NASでRAIDを組んでも、HDDが地震で壊れた話
RAIDを組めば、ある程度のデータ担保にはなりますが、しかし、天変地異には逆らえません。地震の振動は、やはりNASに深刻なダメージを与える場合があります。
目次
NASが地震でお陀仏になった体験談
昔、会社の職場で、NASのテラステーションを使って、簡易な共有サーバーとして使っていたことがあります。
用途としては、ディスク4台のRAID6で構成し、重要なデータは取り扱わないものとして、職員が手軽にデータ交換や共有作業をするための環境でした。
そして、RAID6といえば、4台あるディスクのうち、たとえば2台が壊れてしまってもデータ復旧が可能というように、耐障害性の向上をした構成になります。
ただ、これが地震によって、一発でダメになったことがあります。
NASが地震でダメになった時の様子
けっこう大きい地震で、しばらくしてからNASがダウンしており、再起動を試みても失敗ばかりでした。そして、社内でも完全に中身が壊れている、という判断となり、仕方なく専門のメーカーに修理依頼をしてみたところ、「復旧は無理」、という返事でした。
原因
ハード的な原因は、地震の揺れと、その後の停電で間違いないです。ソフトウェア的な原因は、ちょっと昔のコト過ぎて忘れてしまったのですが、物理障害と論理障害が混合してしまい、とりあえず専門家が諦めざるを得ないほど、複雑なことになっていたようです。
NASの壊れる流れとしては、衝撃→中身という、まあHDDあるあるの感じがメジャーかと思います。
対策
根本的な解決策は地震をなくすことですが、人間にはそこまでの力はありません。なので、対策としては、やはり補助電源のUPSか、耐震対策を十分に施す、の2点というところでしょう。
UPSについて
UPSは、無停電電源装置のことで、普段からPCやNASに接続しておくことで、停電などが起きてコンセントからの電力供給ができなくなった際、しばらく代わりの電源供給源となって動くものです。
メリットは、突然の大規模停電になったりしても、PCやNASなどの精密機器にしばらく電源を供給してくれるので、その間に正規の方法でシャットダウンをすることで故障を事前防止できることです。
デメリットとしては、補助電源として供給できる電力量(時間)には限界があるため、停電の後、ほったらかしにしていると、結局、停電と同じ動作をさせてしまうということです。(たとえば海外出張中に大規模停電が起きてしまい、電力復旧前にUPSが空っぽになってしまうと、PCやNASは強制終了になってしまい、意味がないということです。)
耐震対策について
耐震対策は、並べていくと、下記の通りです。
・NASを揺れにくい机に置く
・NASの周りにはモノを置かない(倒れて衝撃を喰らう危険がある)
・耐震設計のされたNASを使う
たとえば最近だと、SSD搭載モデルなど、耐振動性能に強いモデルのNASも販売されています。ちょっとお値段はしますが、地震によってデータがオシャカになる心配は減らせます。(SSDなので、HDDよりもディスク交換頻度には敏感になる必要はありますが。)
まとめ
RAIDにしても、データは必ずしも安心ではない、という話でした!
やはり、本当に耐障害性にこだわるなら、有料のクラウドストレージだったり、専門の会社にアウトソーシングしないと難しそうです。