Web制作会社に転職する時は「代理店の案件」に気をつけよう
これからWeb業界へ転職する時に気をつけたいことの一つが「広告代理店から受注する案件」です。
結論として、代理店経由で受注する仕事は忙しいケースが多いので、要注意です。
目次
広告代理店の案件に気をつけるべき理由とは
基本的に割の良い仕事は少ないから
広告代理店は、いわゆる仲介業者です。
たとえば商流を見ると、こんな感じになっています。
・クライアント ⇔ 代理店 ⇔ 制作会社
そして商流の間に入っているということは、いくらかのマージンを取っている、ということです。
本来は100万円の取引であった時、代理店の価格設定次第ですが、ある程度のパーセンテージが差引されますので、それだけでも損をするわけです。
代理店に相談する会社は訳ありが多い
世間では「困ったことがあったら代理店に聞こう」という会社は少なくありません。
国も広告で困ったら電通、という感じで、世間でもWebで困ったら特定の代理店、という人たちが多いのです。
そのため、代理店案件では、お客さんのWebリテラシーが少し低かったり、ちょっと無茶な要求が入っていたり、お急ぎだったり、少し訳ありなことが多くあります。
ある程度、Web業界に慣れている人であれば、代理店案件よりは直取引の案件を好む人が多いです。
メリットはもちろんあります
代理店は仕事をたくさん抱えていますので、ここと密な関係を持っていると、下記のようなメリットがあります。
・代理店と友好関係にあれば仕事に困らない(営業しなくて良い)
・しっかりした企業のクライアントが多いので安心(未払やデザイン盗用などの心配が減る)
・担当者がしっかりした人だと、安心して仕事が進められる。
・修羅場に慣れてレベルアップしやすい(大変だからこそ経験値は多い)
要するに、きちんとした実績を作るのにもってこい、という感じです。ただし、もちろんこの時にはデメリットもあります。
デメリットも多い
端的にまとめると、下記の通りです。
・完全に下流工程となる
・代理店の窓口担当者の能力次第では地獄案件になることがある
・総額から10%~30%ほどのマージンを取られ、けっこう言い値になりやすい
・美味しい仕事は回ってこず、大変な案件ばかりが続くこともある
ポイントは、完全に部下、というポジションになってしまうことです。
代理店からの受注をしている制作会社の中には、「クライアントと直接やりとりできれば超スムーズに仕事が進むのに……」とストレスを溜めこんでいる人も少なくありません。
これからweb業界に転職する人には信じられないかもしれませんが、制作会社とクライアントの間で、いわばディレクターの役割を果たす代理店窓口の担当者が「そもそものweb制作に関する知識が浅い」ということは、あんまり珍しくありません。とくに、代理店に新卒入社した若手が2~3年目で初めての担当配属、となった時など、けっこう大変だったりします。その人が仕事を捌ける人だと良いのですが、そうでない場合、かなーり大変なことになります。(明らかに担当者のミスが原因で、なにかミスが起きても、そのシワ寄せはすべて制作会社に押しつけられます。)
また、やりやすい仕事は代理店側で片付けて、厄介で大変な仕事ばかりを押しつけられる、ということもあるので、どうしても忙しくなりやすいです。(もちろん代理店の人が良い人だと、アタリ案件を振ってくれるなどの采配もあります。)
このへんが、代理店受注を頼りにしている制作会社で気をつけたい点になります。
担当者の能力次第は、内製も一緒?
補足として、web制作会社がクライアントとの直接取引のみしていたとしても、注意は必要です。それは、webディレクターの能力が低いと、上記に書いたような代理店制作の慌ただしさと一緒になるためです。
ディレクターのミスで、スケジュールがやばい。そのシワ寄せはすべてデザイナーもしくはコーダーにくる。そしてディレクターはミスしたくせに憮然とした態度で偉そうに構えている。こんな職場だと、精神的に長続きしないかと…。
まとめ
本記事にまとめましたように、代理店案件の多い制作会社というのは、結構慌ただしいことが多いです。そのため、クライアントと直接取引していて、しっかり内製している制作会社を選んだほうが精神的には良いかなと思います。
ただ、結局は代理店制作であろうが、内製制作であろうが、そのチームにおける"人材"がすべてを決定づけます。
「この人と一緒に仕事しててもマイナスしかないな」と思ったら、思い切ってすぐに転職を考えるのもアリです。(IT/WEB業界は本当に転職しやすいので、どんどん自分に合った環境を探すことが大事です。)