簿記2級ネット試験「第三問だけ0点」のエラーで不合格になった体験談

先日、日商簿記2級のネット試験(CBT形式)で無事に合格したのですが、その1回目の受験において「第三問だけ0点になる採点エラー」が発生して、不合格扱いになりました。
その後、商工会議所の方に相談して返金してもらえたのですが、これから受験される方や同じシステムエラー被害にあった方のため、自分の体験談を紹介しておきたいと思います。
目次
エラーの概要
ざっくり書くと、こんな風にして、第三問だけ0点になるエラーが起きました。
簿記2級(CBT)の1回目受験をする
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端末PCの調子が悪く、試験プログラム動作せず、再起動などして試験開始
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ひとまず動いているけど、なんだか全体的な操作具合に違和感
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試験終了間際の見直しで、第一問の仕訳数字の誤りに気づいて慌てて修正していたら、フォーム入力中に試験強制終了
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結果、なぜか第三問だけ0点になっていた
ちなみに、その答案がこちら。
試験はほぼ合格を確信できるレベルの手ごたえだったにも関わらず、結果画面には予想よりずっと低い点数が表示されて不合格だったので、かなりびっくりしました。
サーっと、血の気が引く感じがして、半ば呆然自失です。

いったい、なにがどうなってるん…?
そう思って、各セクションの点数を確認していくと、なぜか第三問だけ0点になっていて、これはよくよく考えると、明らかな違和感しかありませんでした。
本当に0点なら仕方ないけど、明らかに理不尽な結果だったので腑に落ちなかった
数十秒ほど意識がフリーズしたのですが、深呼吸してすぐに脳味噌を復旧させたところ、やはりどう考えても第三問が0点という結果はおかしいものでした。
自分だって、なにか致命的なポカだったり、問題ごと全滅ってくらい分からなかったのなら、おとなしく0点を受け入れます。
しかし、簿記2級に取り組んでいる人ならわかりますが、「通常の損益計算書の問題」で「部分点ゼロ」というのは、相当に勉強していない人でないと叩き出せない数字です。
たとえば、こんなことがあれば0点というのもありえます。
- 仕訳が一つもわからなかった
- 表の金額単位が「千円」で換算修正してなかった
- 表に埋める場所を全て間違えてしまった
- 電卓をすべて打ち間違えてしまった
- 最後の繰越利益剰余金で1箇所20点の配点になっている
しかし、自分が受けた時の状況でいえば、こんな感じでした。
- 仕訳は全て解けた(予想よりカンタンだったぐらい)
- 表の金額単位も確認済(そもそも最初から記載された数字もあり間違えようがない)
- 見直しも十分したし、表に埋める場所も間違えていない
- 電卓はしっかり押せていた
- 1箇所20点なんて部分点なしのピーキーな問題は出ないはず
さらに細かい話をすれば、たとえば棚卸減耗損や商品評価損は問題文に最初から算出済の数字が提示してあり、また、どこの費用として処理するか具体的な指示まで書いてあるくらい、損益計算書の中でもイージーな問題でした。(他の仕訳も同様で、とくに難しいものナシ。)
それなのに……。
考えれば考えるほど「第三問だけ0点」という結果はありえないものでした。
そもそも損益計算書の問題は、各仕訳に該当する収益と費用について、それぞれ表に個別に書き出していき、そこにほとんどの場合は部分点が与えられているので、総崩れして0点になる可能性は、かなり低いはずです。また、この問題で0点しか取れないレベルなら、簿記2級の本試験を受けようなんて思いません。

しかも、今回のトラブルにおいて一番のストレスは「損益計算書の大問で一つでも部分点が取れていたら2点以上が加点されて合格だった」ってところです。これには正直かなりイラっとしました…
会場現地ではテストセンターの方をすぐ呼んで相談したのですが、後日に商工会議所へ相談してくださいと言われて、当日中の解決はしませんでした。
そして、かなりモヤモヤした気持ちのまま帰宅して、すぐにネットで調べてみると、簿記のCBT試験ではけっこうエラーが起きているみたいで、自分以外にも同じような被害に遭った人たちが大勢いるらしく、色んな報告が上がっていました。
第二問や第三問だけ0点になる採点トラブルはけっこう多いらしい
日商簿記のネット試験(CBT)では、こういったシステムエラーで大問ごと0点になってしまう採点トラブルが、たまに起きるようです。
まず、Youtubeの動画で詳しくまとめてくださっている方がいました。
また、簿記で有名なパブロフさんがTwitterアカウントやブログで報告されていました。
簿記3級に続き、簿記2級のネット試験でもカンマが自動に入らず、0点となることがあるようです。
そのような事象が発生した場合、現場の試験官にシステム上の不具合が発生している事を伝え、試験後に日商簿記の問い合わせフォームに連絡しましょう。https://t.co/sRrXLT1y5T— パブロフくん@会計士・簿記アプリ (@pubboki) December 22, 2020
受験された方の中には、簿記2級や簿記3級の第3問などの大問によっては金額にカンマが自動的に入力されず、0点で採点されてしまった方がいるようです。試験中に不具合があった場合、試験監督に「カンマが入らないシステム上の不具合が発生したため、このままだと0点で採点される」旨を伝え、試験終了後に日商簿記に問い合わせて対応してもらいましょう。問い合わせると、再受験するためのバウチャーが配布されるようです。
noteに、諸々の注意点をまとめてくださっている方もいました。
もし試験中にトラブルが起きた場合は、落ち着いてスタッフの方を呼びましょう。
実際、受験者の中に、金額にカンマが入力されないエラーが発生し、0点で採点されたことがあったようです。
採点エラーになる詳細な原因は不明
ネットで調べてみたのですが、システムエラーによる採点不具合の詳細な原因は不明でした。
- カンマエラーで大問ごと0点になる場合がある
- カンマが抜けていて、手入力でカンマしても0点になる場合がある
また、今回の自分のケースだと、端末PCの調子が悪く、プログラムを落として再起動したりもしたので、なんかしらの原因でカンマエラーもしくはフォーム欄に入力したデータに不備が起きてしまった、と想定されます。
カンマエラーの原因もそうだと思うのですが、たぶん、フォームに入力したデータと自動採点システムとの間の受け渡しで、なんかしらエラーが起きると0点になってしまうんだろうなと推測します。が、真実はわからず、すべて靄の中です。
どうにも腑に落ちない簿記ネット試験のシステム構想
こちらは公表されていないのですが、簿記のネット試験はおそらく答案データを残していないという説が濃厚みたいです。
つまり、自動採点された時点で、受けた問題と解答は棄却されており、最終的な点数と合格判定結果しかデータベースに残していない、という説です。(そのため、公式HPでも問題に関する問い合わせは一切答えられません、という対応にしているっぽい?)
こういったシステム体系ですと、今回のようなシステムエラーのトラブルがあった時に「あらためて採点をチェックする」ということができない仕様になってしまうので、あんまり良い仕組みだとは思いません。
とはいえ、全受験者の答案や問題を残す仕組みにすると、そのデータの送受信をするためのアプリ改良やデータベース管理が必要となり、色んな諸経費が大きくかかりそうなので、仕方ないのかもしれません。(この場合、問題を追加する度、大がかりな改修が必要になりそうで、かなり大変そうです。)

そのうち改善されるかもしれませんが、現状はたまにエラーが起きちゃうのも仕方ないみたいですね…。
ログインできないエラーで後日に再試験になるトラブルもあるそう
大問ごと0点になるエラー以外にも、試験プログラムにログインできないエラーというのもあるそうです。
バグに見舞われた場合、最悪後日の再受験となるようです。しかし、社会人の方にとって再受験の日程を確保し、その時まで勉強を継続するとなると結構な負担になるかと思います。
私のように当日再受験できればいいのですが、その場合でも休憩は長くとってもらったほうがいいです。
リリースされたのが2020年ですので、現状は、これから色んな面でアップデートされていくのを期待するしかないですね。
その後、返金対応してもらえました
調べてみると、泣き寝入りしている方も結構いたようなのですが、きちんと問い合わせして返金してもらっている方もいたので、先人にならって、自分も問い合わせしてみることにしました。
結果、無事に返金してもらうことができました。
返金してもらうまでの詳しい流れは、こちらの記事で紹介していますので、気になる方や同じような被害に遭った方は、参考にしてみてください。
まとめ
簿記2級のネット試験(CBT形式)は、まだスタートして1年ちょっとの新制度ですので、まだまだエラーが起きるかもしれません。
とりあえず、エラーが起きた時はすぐに会場の方に相談して、そこで解決しない場合は、商工会議所の窓口に相談するしかありません。その際は、会場の方の名前なども聞いておいて、どんなことが起きていたか証言してもらえるようにしておきましょう。(システムのことは怒っても解決しないので、その日は運が悪かったと思いながら、淡々と事後処理していきましょう。)
参考:商工会議所の窓口はどこ?
こちらの正規問い合わせフォームから連絡できます。
・日商簿記問い合わせページ
https://www.jcci.or.jp/post-331.html