web系個人事業主が青色申告のために準備しておくべきもの一覧!
これまでの記事で、開業の方法や、簿記/仕訳/貸借対照表や損益計算書の基本概念、会計ソフトのおススメなどを説明してきました。
今回の記事では、青色申告(複式簿記)をやるweb系個人事業主が、実際に準備しておくべき「モノ」について、一覧にしてまとめました。
これから個人事業主をやろうとしている方は、ぜひ参考にしてみてください!
目次
web系個人事業主が青色申告のために準備しておくべきもの一覧!
事業データ専用のラックやカラーボックス
事業用のデータについては、それ専用のラックやカラーボックスを準備しておくと、便利です。大事な書類が、色んなものとごっちゃになってしまったりして、「あれどこ?」、「このへんに置いたのに・・・」といった無駄が生まれないように、しっかり管理しましょう。
ラックは、鍵付きのものにしておくと、より安心です。知人友人が家に来た時など、書類を咄嗟に見られなくて済むので、お互のマナーともなります。
開業届・青色申告承認申請書・確定申告など公的書式の控え保存用ファイル
開業届・青色申告承認申請書・確定申告などの公的書式を提出した後は、その控え用紙を保存しておくための専用ファイルを一つ、準備しておきましょう。
同じカテゴリーの書類を一つの同じファイルにまとめておくことで、後になってから振り返ることがあった時、スピーディに確認することができます。
会計ソフト
個人事業主が青色申告(複式簿記)をやる上で、業務短縮を考えると、会計ソフトは絶対に欠かせません。
下記の記事など参考にしつつ、自分に合った会計ソフトを準備しましょう。
会計ソフトの参考記事
▼弥生・freee・MFクラウドの比較
https://my-terrace.com/kaikeisoft_hikaku/
▼MFクラウドをおススメする10の理由
https://my-terrace.com/kaikeisoft_mf/
個人的には、MFクラウドが使いやすいので、おススメしています。(著者も利用中。自分も初心者でしたが、無事に確定申告できました。)
簡易仕訳帳簿の準備
これは賛否両論あるかもしれませんが、個人的にはオススメしたいものです。
簡易仕訳帳簿というのは勝手に命名しているのですが、これはデスクトップ上で「仕訳一覧」というエクセルファイルを作り、会計ソフトへ入力する前の仕訳情報をまとめて記録しておく、というデータになっています。
経理では、会計ソフト一本絞りにしたほうが効率良いとは思うのですが、個人的には、会計ソフトに入力する前の「簡易仕訳帳簿」を準備しておくと、日々の帳簿付けや後からの確認がスムーズになるので、オススメです。
図で示すと、下記のようなデータです。
見ると分かりますが、仕訳が一覧になっています。
青色部分に売上系統、赤色部分に経費系、黄色部分に口座(キャッシュ)系と、記録していくことで、後になって、その月にどういう取引があったのか、分かりやすく一覧できるというレイアウトになっています。
各仕訳には、「証ひょう」と「記帳」のチェックボックスを設けることで、それら情報をちゃんと記録したかどうかも管理できます。これにより、仕訳のたびに会計ソフトを開かずとも、日々の帳簿づけはデスクトップにお手軽に記録して、一ヵ月に一回くらい、経理に専念する時間を1hほど作って、会計ソフトに流し込む、というタスクの分割ができるようになります。
まあ、あんまりものぐさな人にはオススメできないのですが、きっちり管理したいという人は、このようなシートと会計ソフトを併用することで、よりきっちりした経理づけができるようになります。
会計ソフトの仕訳表だと、日付やIDでソートされちゃうので、その月にどういう取引があったかっていうことが、一目見て、イメージがつきにくいんですが、簡易仕訳帳簿だと、それらについてスムーズに理解できるメリットがあります。
また、会計ソフト上で仕訳がごちゃごちゃしてきた時など、そのエラーを追いかける時に活躍してくれるデータです。
まあ管理するアイテムが増えるといえば増えるので、「めんどくせえ! 会計ソフト一本化でいいじゃん!」という人は、やめておいたほうが賢明です。
簡易仕訳帳簿のメリット
・日々の帳簿づけがエクセルになるのでお手軽
・会計ソフトで作業する時間が月1回に減る
・その月にどういう取引があったか、後から追いかける時に楽
・エラーがあった時、問題解決の整理がしやすい
ちなみに当たり前ですが、エクセルを使うにはOfficeソフトが必要となります。
フリーソフトなどで代用してもOKですが、個人事業主になると、法人相手の取引において、Officeソフトを使う状況は容易に想像つきますので、準備しておいて損はありません。
どのみち経費にもできますので、個人事業主を始めた時、最初の経費に使ってみても良いかと思います。
証ひょう保存ファイル
青色申告(複式簿記)では、証ひょうの保存が必要です。最低でも7年は保存する必要があるため、専用のファイルを準備しましょう。
個人的にオススメしたい記録方法は、下記の具合です。
これは図に示す通り、リングバインダー(穴型)ファイルを購入して、一ヵ月ごとにインデックスシールを貼ったクリアポケットに、レシートなどの証ひょうをポイポイ放り込んでいく方法です。
社会保険料控除など、経費以外の控除関連は、その他専用のクリアポケットを一つ作成して、ファイルの後ろあたりに保存しておくと紛失の心配もなくなります。
クリアポケットの期間の区切り方は自由ですが、web系個人事業主レベルの取引量だと、一ヵ月区切り程度で十分かと思います。法人とかのレベルになると、一ヵ月の週ごとに区切る必要なども出てくると思います。
証ひょうファイルは一つにまとめても良いのですが、年数を重ねるうちに、すごいボリュームになってしまうので、できれば年度ごとにファイル自体も追加するようにしていくと、あとで追いかけやすくなるので、おススメです。
事業用の口座
これ、地味にとても重要です。
個人事業主を始める場合は、生活関連の口座を使うことなく、事業用の口座を新たに一つ作るようにしましょう。なぜなら、口座のお金の動きも帳簿づけする必要があるため、生活費の出し入れが混じっている口座だと、帳簿づけが面倒になってしまうためです。
また、会計ソフトは口座と紐づけて自動仕訳なども可能なので、生活費と混ぜずに、事業用の口座を作っておいた方が、もろもろスムーズなのです。
ゆうちょ銀行は口座を分割して増やせます
ゆうちょ銀行の口座を増やすことはできないのですが、じつはゆうちょ銀行の口座を分割して増やすことはできます。もし、ゆうちょ銀行を仕事用口座にしたいけど、生活費と混合している、という方は、ぜひ分割してみてください。
まとめ
以上のアイテムを準備しておくと、青色申告(複式簿記)における日々の帳簿づけには、しっかり対応できると思います。これから青色確定申告にチャレンジする人は、ぜひ参考にしてみてください。
次回の記事は、web系個人事業主が日々の帳簿づけにおいて、よく使う仕訳項目を一覧にしてまとめた、実用的な記事を紹介していきます!
▼次回記事
web系フリーランス・個人事業主でよく使われる具体的な仕訳一覧まとめ!
個人事業主のことをもっと詳しく知りたい方へ!
著者がweb系の個人事業主・フリーランスを実際に一年間やってみた時の各種手続きについて、下記のページでまとめています。
記事の中では、自分の実体験に基づいて、「開業届(青色申告の届け出)⇒日々の業務・取引⇒日々の帳簿づけ⇒年末の青色確定申告」までの具体的な手順について、詳しく解説しています。これから個人事業主・フリーランスを考えている人は、ぜひ参考に!