1分で分かる、要求定義と要件定義の違い
IT/WEBのものづくりで大事なことの一つが、「要求定義と要件定義」です。
似た言葉ですが、それぞれの違いは「定義する対象」が異なり、要求定義は「ビジネス要件を定義するもの」で、要件定義は「システム要件を定義するもの」です。
以下、詳しく説明します。
目次
要求定義とは
ビジネス要件を定義するもの
ビジネス要件は、利用ユーザーの立場において必要となることをまとめたものです。
たとえば、経理マンが、ちょっと古臭い会計ソフトを使っていたとして、
「もっと会社の取引内容にマッチした専用ソフトが欲しい」
「入力の手間をラクにしたい(こうしたい)」
「各種報告書の自動生成をしてくれる機能が欲しい」
などの要望があった時、この要望をまとめたものがビジネス要件に該当します。
要件定義とは
システム要件を定義するもの
システム要件は、「開発者の立場において、システムを作るために必要なこと(仕様)」をまとめたものです。
たとえば、先ほどの経理マンの要望を受けて、会社独自の会計ソフトを作ろうとする時、
・サーバーはどうする?
・データベースはどうする?
・何の言語で開発する?
・OSは?
・GUIは?
etc
などの仕様を決めて一覧にしたものが、システム要件です。当然ながら、これらが決まらないと、モノは作れません。
ざっくり解説
要するに、お客さんと話して、経営課題や業務課題を解決するために必要なことをざっくりまとめたものが、ビジネス要件であり、要求定義です。
そして、要求定義の内容をもとに、どのようなシステムを作るのか、その設計仕様・システム要件をまとめたものが要求定義です。
要求定義と要件定義は、ディレクターやプロジェクトマネージャーの業務範囲に該当し、うまい人が担当すると、プロジェクトは安定して進行しますし、ヘタな人が担当すると、地獄になることもしばしばです。
どういうトラブルが起きるか
要求定義を怠ると、あとになって「●●の機能が必要だった!」とお客さんからいわれたりして、その実現には、今のプログラム言語だと実現できず、他のプログラム言語にしなくては…となったりして、制作側に大変な負担が生まれることもしばしば。
しっかりした人がプロジェクトマネージャーだと、そういった致命的な問題が起きないよう、先んじて、しっかり"定義"してくれるので、みんな安心。モノづくりでは超大事なのです。