だれかのなにかに役立てるウェブ制作者YoTaの趣味ブログ

Adobe XDは便利だけどディレクターの暴走を招きそう

ウェブ制作者がAdobe XDを実際に使ってみた感想を紹介します。少なくともリリース時点では、まだまだ万能ツールとはいいがたいです。

正直な感想

公式URL : https://www.adobe.com/jp/products/xd.html

ワイヤーフレームをスムーズに作成するツールとして話題のAdobe XDですが、少し使ってみたところ、必ずしも万能ではないと感じました。

それは、ディレクターとデザイナーが事前に互いの認識をキチンと取れていないと、のちのち逆に制作ラインで戸惑うことになりそう、ということでした。

Adobe XDを使う前に社内で話し合っておくべきこと

センスないディレクターがXDで先行するとクライアントに余計なデザイン先入観を与えてしまう

XDを使ってすぐに思ったのは、ディレクターにもある程度のデザインセンスがないと、あんまり効果的でない、ということです。

もしも、デザイナーとあまり話し合わないうちに、ディレクターがXDでクライアントと話を進めていった場合を想像します。

この時、ディレクターとクライアントがどちらもちゃらんぽらんだった場合、なんかイケてるみたいな雰囲気で話が進み、いざデザイナーのもとにワイヤーが届いたら、「え、何ですかコレ……?」みたいな絶望もありえます。

「いや、こういう情報を伝えるなら、このレイアウト(デザイン・色合いなど含む)は本当やめたほうが良いですよ」とデザイナーが提案しても、ディレクターは「これでクライアント承認取れてるから!!」みたいなことになり、本来デザイナーに任せた方が良い部分が台無しになってしまう危険性もありえます。(早い話、品質が落ちる)

また、仮にディレクターにデザインセンスが多少あったとしても、デザイナーと認識を合わせておかないと、「いや、この方針のサイトなら、こういうデザインのほうが良いですよ」と、やはり上記と同じことになりえます。

そんで最終的にクライアントさんが、デザイナーさんの変更した部分を容認してくれるなら良いんですが……

しかし、じつはこの時、さらに怖い問題が起きることも想定できます。それは、「デザインってカンタンに修正できるんじゃん」と思われてしまうことです。

XDでデザインもどきを提案してしまうことでクライアントが工数を無限と勘違いする可能性

ディレクターが、それっぽい雰囲気のワイヤーを何度もすばやく提案することで、クライアントが「デザインってカンタンに変更できるんじゃーん!」と思ってしまう問題があります。

これ、みなまでいわずとも、ものすごく恐ろしいことだと感じてもらえることだと思います。

なので、XDで提案するにしても、デザイナーさんと事前に話し合っておくことはとても大事だと、著者は考えます。

(まあ、こういうクライアントさんは、XD関係なしに、もともと、そういう風に考えてそうなので、また別問題なのかもしれませんが……。)

それと最後に、デザイナーさんのやりやすさの問題、というものがあります。

デザイナーさんの中にはデザインするなら最初からやらせてくれよ、と思う人も多いはず

ワイヤーフレームを作り込むディレクターさんもいる中で、デザイナーさんの中には「ワイヤーフレームであまり作り込まないで欲しい」という人もいます。

これは、ディレクターさんのほうでデザインの方向づけをされると、デザイナーの自由度(権限範囲)が下がってしまうので、逆にやりづらい、というものです。

「こういう情報設計なら、こういうデザインのほうが作りやすいし、ユーザーにも見やすいのに……」と思いながらも、ディレクターさんがデザインの方向性を決定づけているから、根本の部分は変えられず苦しむ、という感じです。

この時、一流のデザイナーなら臨機応変に対応してみせろ、と思う人もいるかもしれませんが、自分が思うに、一流のデザイナーなら最初から任せた方が良い、と感じます。

なので、繰り返しになりますが、XDを使うのであれば、なおさら、要件定義の最初のほうからデザイナーさんとしっかり話し合っておいた方が良い、ということです。

まとめ

Adobe XDは、とても便利なツールで、最初のワイヤーフレーム時点から、それっぽい今風なwebデザインを交えて、要件定義を可能としやすそうです。

しかし、これはディレクターが一人でオラオラするものではなくて、しっかりデザイナーさんと今後の制作ラインも交えて話し合って使うべきものと、著者は考えます。

(ついでにいえば、構築の人も交えて、コーディングの作りやすさも考慮すべきだし、ディレクターはそもそもデザインと構築両方の基本知識+技術くらいは持っておくべき、ってのはあくまで個人的な持論です。)

ページ上部に戻る