簿記2級のネット試験に独学で一発合格した体験談&注意点まとめ
先日、日商簿記2級の2021年ネット試験(CBT形式)に独学で一発合格したので、その体験談を紹介したいと思います。
感想としては、簿記2級のネット試験は紙試験よりカンタンとは言われているものの、制限時間90分と短く、やはり簿記3級より遥かに難しい内容なので、きちんと勉強しないと合格は難しいと思いました。
以下、詳しく紹介しますので、これから受験される方の参考になれば幸いです。
目次
当日の試験について
試験内容
自分の時は、以下の問題が出題されました。
【問1】仕訳5題
【問2】連結決算の精算表
【問3】損益計算書
【問4】仕訳3題+部門別製造原価
【問5】全部原価計算と直接原価計算の損益計算書
どんな問題が出たのか具体的に知りたい人は、こちらの記事に一問ずつ詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。
合格ライン/合格率
日本商工会議所が開催する簿記2級は、3級と同様、100点中70点以上で合格となります。
合格率は、紙試験とネット試験で異なるのですが、ネット試験のほうは大体45%前後になっています。
・【日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験】受験者データを掲載しました
https://www.kentei.ne.jp/35042
・2級受験者データ(紙試験の合格率一覧)
https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class2
合格率20%前後の紙試験に比べると、圧倒的にネット試験のほうが受かりやすいのですが、これはCBT試験だと自分の好きなタイミングで受験できるので、必然的に合格率が高くなっているのだと思います。(3級は紙とネットで合格率が同じくらいですが、受験者の総数が多く、簿記を勉強したての人も多く受験するので、あまり合格率が変わらないのだと思います。)
問題を解いた順番
自分はこんな風に解いていきました。
- 簿記2級の問題を解いた順序
- 第一問 ⇒ 第四問 ⇒ 第五問 ⇒ 第三問 ⇒ 第二問
(最後に見直し&第一問の保留問題を解き直し)
しかし、のちほど後述しますが、簿記2級は制限時間90分と短いので、あまり順番にこだわりすぎず、とにかくわかるところからさっさと埋めていくことが大事です。
試験結果
結果は、合格ラインギリギリの78点でした。
反省としては、得点源にしないといけない第一問で2つも落としてしまい、また連結決算の精算表で、非支配株主持分の理解が浅く、アップストリームや土地の親子渡しのところでミスがあり、大きく点数を落としてしまいました。
とはいえ、70点でも100点でも合格は合格ですので、ひとまず無事に受かって良かったです。
ちなみに発行した合格証pdfは、こんな感じです。
独学で合格できた勉強法&実際に使った教材
自分の体験談
勉強方法について、詳しくは以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
スッキリシリーズの参考書で合格
テキストは、下記の3冊を利用して合格できました。
テキスト以外では、Youtube動画やブログ記事などを利用して、あとは独学で合格できました!
簿記2級ネット試験を受ける時に気をつけるべきこと
簿記3級と共通する注意点
- 会場には早めに到着しておこう
- 身分証と電卓は絶対に忘れずに
- 会場での勉強は難しい
- 周辺で落ち着ける喫茶店など探しておこう
- 電卓、ティッシュ、目薬、メガネ拭きなど持ち込みを忘れずに
- 呼び出しボタンは押してもすぐにスタッフが来ない
- トイレは必ず事前に済ませておく
- 試験開始は「ボタンをクリックした時」からスタート
- CBT模試などを使ってパソコンでの解き方に慣れておこう
- 耳栓があるか会場次第なので気になる時は事前に電話で確認しとく
もろもろ詳しくは、こちらの記事で書いていますので、参考にしてみてください。
また、テストセンターの雰囲気など気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
以下、簿記2級ならではの気をつけるべき点を書いていきます。
第一問は悩んだら紙に書いて良い
簿記3級の試験では、仕訳を紙に書かず、パソコン画面に直接入力していくべきと書きました。
しかし、簿記2級の仕訳問題は、たまに少し考えないと解きにくい問題も出たりして、じつは紙に書いて情報整理したほうがスムーズな時もあります。とくに、為替の変化だったり、月割や日割などの日数計算だったり、保険の未決算やクレジット売掛金と消費税の複合問題など、こういったものは、いったん紙に書き出して整理したほうがわかりやすいです。(あとで計算途中で間違っていないか、見直しもできますので。)
仮に、紙に書き出さず、頭の中だけで計算していくと、それで答えにたどり着けなかった時、いたずらに時間を浪費したという結果だけが残ります。
明らかに分かる問題はパソコンにダイレクトに打ち込んでいって大丈夫ですが、少し悩む問題は紙に書き出しておくようにしましょう。最悪は、いったん割り切って捨てちゃって、あとで時間に余裕ができたら戻ってくることもできます。その時、紙に途中経過を書き出していれば、再び解く時の時短にもなります。
時間のペース配分が超大事
自分は、第一問の仕訳問題はいつも10分以内に解き終わっていたのですが、テスト当日は微妙にど忘れした問題が2つ出て、ものすごく悩んでしまいました。
結果、すべて解き終わっていないのに10分が経過してしまっており、
(アカン。このペースだと落ちる…)
と感じたので、思い切って、第一問の仕訳2題をいったん捨てることにしました。
これが結果的には正解で、幸い、工業簿記の内容はやってみたらほとんどわかるものでしたので、20分ほどで第四問と第五問を仕上げて、残り時間58分ほどを第二問と第三問のために確保することができました。
それから第三問の損益計算書は自信あったので、20~25分ほどかけて丁寧に解いて、結果としては無事に満点。最後に残り時間35分ほどで連結決算の問題に取り組んで、最後12分前になったところで、連結決算は部分点狙いとして割り切ることにして、他の問題の見直しをしてから、再び第一問の見直しに時間をかけました。
そして、最後の数分前、ひとまず合格点には至ってそうだったので、自らクリックして試験終了して、なんとか合格の結果を得ることができました。
もし、第一問でつまずいた時、あのまま時間を浪費していたら、「本来はわかる問題なのに焦ってミスる」ということをしてしまって、もしかしたら不合格になっていた可能性もあります。
簿記2級の試験においては、とにかくわかるところから埋めていって、どうしてもわからないところは後回しにする英断が大事です。また、事前に、どの問題をどれくらいの時間で解くかは目安として決めておいて、それを大きくオーバーしそうな時は見切りをつけることも大事です。
各表の埋め方をきちんと覚えておくこと
簿記2級では、じつに色んな表の問題が出ます。
- 損益計算書
- 貸借対照表
- 精算表
- 連結決算の財務諸表
- 連結決算の精算表
- 株主資本等変動計算書
- 銀行勘定調整表
- 各種勘定元帳
- 工業簿記関連の表 など
とくに、第二問と第三問は、必ず表での出題となり、これを正しく埋めることができないと、内容次第では全滅して0点になるようなこともあります。
また、精算表なんかは、通常決算と連結決算で、まったく書き方が変わってきますので、ちゃんとルールを覚えておかないと、かなり痛い目を見ます。
逆に、表は書き方さえわかってしまえば、これはもう得点源でしかないので、きちんと勉強しておくことをオススメします。
損益計算書と貸借対照表は、主要な項目を日本語で答える問題も出やすいので、表の項目も含めて、しっかり理解するようにしておくことが大事です。
多少の理不尽さはあるけど受け入れるしかない
簿記2級の第二問は運ゲーとも言われており、受けた時によって難易度が全く異なります。
今回、自分は連結決算の精算表が出ましたが、たまに株主資本等変動計算書だったり現金管理に関する問題が出る時もあり、これがどちらも同じ20点満点で評価されてしまうのは何だかなぁと、個人的には感じます。
極論を言ってしまえば、簿記2級の難易度を上げている原因の一つである「連結決算」は試験回によっては全く出題されない時もありますので、お金に余裕ある人は試験を受け続けることで、連結決算をまったく勉強せずに合格することもできちゃいます。
自分としては、制限時間120分にして大問を一つ増やしたりして、連結決算は必ず出るようにしつつ、もっとうまくバランスを取って欲しいなと感じます。
とはいえ、そういった運ゲー要素も含めて資格試験とも言えますので、ひとまずルールが変わらないうちは受け入れるしかないんですよね…。とにかくちゃんと勉強さえしていれば、運ゲー要素に関係なく合格できることではありますので、なんとも難しいところです。
システムエラーのトラブルに注意
最近は減少傾向にあるみたいですが、CBT形式のネット試験では、たまにシステムエラーなどのトラブルで採点不良などが起きます。
じつは自分も、今回1回目の受験ではシステムエラーに巻き込まれて、2回目の試験で合格しました。(初回の不合格はトラブル原因なので、一応、一発合格としています。)
詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
まとめ
以上が自分が受けた時の簿記2級ネット試験の体験談と注意点です。
これから受験される方の参考になれば幸いです!