青色申告と白色申告の違いとは
確定申告には、白色申告と青色申告のやり方があり、個人事業主はどれか好きな方法を自由に選択することができます。
ただ、初めての人にはどちらにすればよいのか、よく分からないと思います。(自分も最初、よくわかりませんでした。)
というわけで、本記事では、青色申告と白色申告の違いについて、詳しく説明していきます。
目次
青色申告と白色申告の違いとは
選択肢
確定申告では、下記の中からやり方を選ぶことができます。
・白色申告(単式簿記)
・青色申告(単式簿記 or 現金式簡易簿記 or 複式簿記)
まずは単式簿記と複式簿記の違いを知ろう
青色申告と白色申告の違いを知るには、まずは単式簿記と複式簿記の違いから先に知っておくと、話が早いです。
単式簿記も複式簿記も、どちらも一年間の取引(お金の動き)を記録・帳簿づけるという作業を意味しますが、両者では、そのやり方が、大きく異なります。
▼単式簿記(簡易簿記)
・家計簿レベルの帳簿づけでOK
・領収書は保管しておく(原則5年)
・帳簿は保管しておく(原則7年)
▼複式簿記
・簿記のルールに従った正式な帳簿づけが必要
・領収書&帳簿は保管しておく(原則7年間)
要するに、カンタンなほうが単式で、ちょっと複雑になるものが複式です。複式は難しくなる分、お金の動きをきっちり追いかけることができるようになります。
そのため、単式簿記は個人事業主のカンタンな確定申告のみに使われて、複式簿記は会社など法人経理で使われる一般的なルールになっています。
それでは、白色申告と青色申告の違いについて、話を戻します。
白色申告の特徴
白色申告は単式簿記でやるもので、下記の特徴があります。
・単式簿記で記帳する
・白色申告自体の節税効果はなし
端的にいえば、白色申告は、経費にしたい取引について、「家計簿レベルで記録+領収書を保存しておけばOK」という感じのカンタンなものになっています。
ただし、やり方がカンタンな分、白色申告自体の節税効果はゼロ。確定申告をする上で、最も税金対策にならない申告方法となっています。
青色申告(単式簿記)の特徴
青色申告を単式簿記でやる場合、下記の特徴があります。
・単式簿記で記帳する(標準簡易帳簿)
・課税対象額からの控除10万円の節税効果
青色申告の単式簿記は、白色申告よりもオススメの方法です。なぜかというと、白色申告と同じ方法で帳簿づけをするのに、こちらの方法だと、課税所得から10万円の控除が可能となるからです。
「簿記が面倒だから白色申告をしている」という人は、「青色申告の単式簿記」にしたほうが賢いです。
青色申告(現金式簡易簿記)の特徴
青色申告を現金式簡易簿記でやる場合、下記の特徴があります。
・単式簿記で記帳する(基本、現金出納帳のみ)
・課税対象額からの控除10万円の節税効果
これも単式簿記と似たように、カンタンな帳簿づけで、10万円の控除ができるという方法になっています。しかも、こちらは単式簿記よりも簡易な帳簿づけとなっています。
ただし、現金式簡易簿記はカンタンな分、条件があります。
現金式簡易簿記を選択するためには、前々年度の所得が300万以下であり、なおかつ、「所得税の青色申告承認申請書、現金主義の所得計算による旨の届出書」という書類を提出する必要があります。
青色申告(複式簿記)の特徴
青色申告を複式簿記でやる場合、下記の特徴があります。
・複式簿記で記帳する
・課税対象額からの控除65万円の節税効果
・家族給与一部、スタッフ給与全額が必要経費になる
・少額減価償却資産の特例(期間限定)
・赤字損失の繰り越し など
青色申告の複式簿記では、ちょっと難易度の高い帳簿づけをする必要がありますが、その分、色々とメリットを得られるようになっています。
とくに大きいポイントが、控除額65万円の節税効果を得られる点です。基礎控除と併せると、一年間に103万円もの控除になる点は、見逃せません。
また、帳簿づけが大変といっても、今の時代は会計ソフトがどんどん便利になっていますので、ちょっとした知識をつけるだけで、お手軽に対応できます。そのため、個人的には、フリーランス・個人事業主になられる人には、青色申告の複式簿記をおススメします。
確定申告してみると分かりますが・・・65万円の控除はけっこうデカいです。
ちなみに一般的に、青色申告といえば、この複式簿記を指して言うことが多いです。フリーランス・個人事業主の方たちが、「節税なら青色だよね」という感じで会話されるものです。
どうして「青色」と「白色」のように呼ぶのか
その昔、「青空のように一点の曇りない申告をしよう」ということで青色と命名されたらしく、当時は申告書の色も青かったそうです。対して、白色は、青色に対して色がなかったので、区別の便宜上、「青色以外の申告=白色」と呼ばれるようになったそうです。
※引用:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1014632760
まとめ
ちょっとした短い期間だけ、フリーランス・個人事業主になるという人には、白色申告・青色申告の単式簿記・青色申告の現金式簡易簿記でOKだと思います。
ただ、フリーランス・個人事業主として長く活動していく人や、今後、フリーランス・個人事業主として活動していきたいと考えている人は、最初から青色申告の複式簿記にチャレンジしておいたほうが良いかと思います。
開業直後のちょっと余裕ある時に勉強しておくと、その後の事業活動がスムーズになるからです。
下記のシリーズ記事では、簿記の説明だったり、おすすめの会計ソフトなどを分かりやすく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください!
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