カラーコーディネーター資格は仕事の役に立つ? WEBデザイン目的なら色彩検定のほうがオススメ!
先日、新しくなったカラーコーディネーター検定試験のスタンダードクラスとアドバンスクラスの両方に合格しました。
そして実際に受けてみた感想としては「WEBデザインを目的とした色資格試験をやるなら色彩検定のほうが良さそう」と思いましたので、その理由を紹介したいと思います。
目次
カラーコーディネーターの資格は仕事の役に立つ?
大前提、実務のスキルが上がるわけではない
当たり前ですが、カラーコーディネーターの資格を取得したからといって、それだけで業務スキルがダイレクトに上がることはありません。
WEBデザインでいえば、スタンダードクラスやアドバンスクラスに受かったからって、バナー作成やページデザインがうまくなるわけがありません。
ただし、資格試験の内容を勉強する=色に関する知識は増えますので、今後、デザインの配色を考える場面において、いくらか選択肢が増えて、デザインの総合的な判断力は少なからず向上すると思います。
資格取得で得られるメリットは確かにある
カラーコーディネーターの勉強をすることで得られる具体的なメリットは下記の感じだと、自分は思います。
- 有名な配色や色の組み合わせなど知ることができる
- ビジネスや社会における色の一般常識や専門知識が身に着く
- 制作場面において色の判断で悩んだ時、全く無知の人よりは、確実に幅広くロジカルに考えられようになる。
- すでにデザイン実務できる人も、普段はあまり使わない専門用語を学べるので、その言語化能力がアップする
- クライアントとの話し合い時、言語化能力が上がると、信用度が増して話がスムーズになる可能性がある
- 色の視点を通した社会全体への見方が、さらに深まる etc...
つまり、具体的なスキルアップのために受けるというよりは、今後ずっと続ける仕事において見識をもっと深めておきたい人が受けるべき資格試験なんだと、自分は思います。
そのため、生涯デザインに関わる仕事をする方であれば、どこかのタイミングで勉強しておいても損ではないと思います。とくにスタンダードクラスの試験は勤務しながらでも取得しやすい難易度ですし、webデザイン含めて「デザイン」に関わるなら、知っておいたほうが良い内容ばかりなのでオススメです。
ただ、WEBデザインを目的に勉強するのであれば、アドバンスクラスのほうは受けなくても良いのかなとも思いました。というのも、アドバンスクラスの試験内容は色に関する雑学がメインであり、WEBデザインの実務に役立ちそうなことはスタンダードクラスの学びよりも遥かに少なく感じたからです。
カラコ検定のアドバンスクラスはうんちくが多い
別記事に詳しくまとめていますが、アドバンスクラスの内容は、色自体の知識というよりは、色に関連する様々な雑学を学ぶといった感じです。
そのため、ディレクターの方や、デザインの管理職に就くような方は、ハクをつけるためにもアドバンスクラスを受けてみて良いと思いますが、デザインをバリバリにやりたいデザイナーの人にとっては、アドバンスクラスの内容はただの苦行に感じる可能性が高いです。
個人的な見解ではありますが、実際に手を動かして色を扱う人は、アドバンスクラスの勉強をするくらいだったら色彩検定を受験したほうがタメになるのではと、自分は思いました。
WEBデザイン目的なら色彩検定のほうがオススメな理由
色そのものに関する問題が多くて理解が深まる
アドバンスクラスの問題を実際に見るとわかるのですが、配色やコーディネートに関する問題は100問中10問くらい出るかなといった感じです。残りの問題は、ほとんどが色に関する雑学やうんちくばかりで、あんまり色そのものに関する問題が出ないのが特徴です。
一方、色彩検定では、問題用紙に印刷された色を見て、それが何の色かを当てる問題などが多めに出題されますし、そういった色の問題のほうが配点の割合も高くなっています。おそらく、色のスキルを上げたいと思って資格試験を考えるタイプの人は、こちらの色彩検定のほうがイメージに合致すると思いますし、勉強のヤル気も起きやすいと思います。
色彩検定は国家資格なので信用度が高い
色に関する資格試験は色んな種類がありますが、色彩検定は国家資格として文部省より認可されているので、社会的にも信用ある資格となっています。
A・F・Tは1976年に「日本の服飾文化の向上発展に寄与すること」を目的として発足しました。1986年にはその活動が認められ、社団法人 全国服飾教育者連合会として文部省(現:文部科学省)より公益法人の認可を得ました。
そのため、履歴書のことなんかを考えても、色彩検定を優先して受けていったほうが良いと自分は思います。
正直、カラーコーディネーターのアドバンスクラスは余裕があれば取り組むくらいのモチベーションで良いかと。
色彩検定の公式テキストのほうが遥かにわかりやすい!
ここは自分が最もイチオシしたいところです。
はっきり言って、カラーコーディネーターアドバンスの公式テキストは図表よりも文章ビッシリという感じで、読んでてわかりにくいです。
が、色彩検定の公式テキストはそれと比べ物にならないほど見やすく分かりやすいです。
公式テキストは一般の書店にはあまり並んでいないので立ち読みは難しいですが、もし実際に手に取って読める機会があれば、ぜひカラーコーディネーターと色彩検定の公式テキストを読み比べて欲しいと思います。
もちろんこういった話は個人差のあることだとは思いますが、少なからず自分は圧倒的に色彩検定の公式テキストのほうが読みやすいし、わかりやすかったです。
まとめ
これから仕事のことも考えて色の資格試験取得を目指す方は、カラーコーディネーターより、色彩検定のほうを優先して勉強することをオススメします。(もちろんスケジュール的に余裕があれば、カラーコーディネーターにチャレンジしてみてもOKです。)
ただし、どちらの試験も業務スキルを劇的に向上させるわけではありませんので、あくまで知識の幅を増やすくらいの期待感で勉強していったほうが良いです。また、これら資格試験の勉強では金や銀など特色の話も出てこないし、あくまで色の世界の一部を学ぶに過ぎないので、過信するのは絶対にダメです。
もし今すぐ業務スキルを上げる必要のある方は、とにかく手を動かして、アウトプットを生み出して、諸先輩方にわからないことを聞きつつ、ガンガン現場で経験値を積んでいったほうが早いと思います。その後、少し余裕ができてきたら、自分のスキマ時間で色の資格試験なんかも考えてみると、さらなるスキルアップに繋がるかと思います!
参考リンク
2021年、カラーコーディネーター検定試験のスタンダードクラスとアドバンスクラス、両方に一発合格しましたので、記事を一式まとめています。これから勉強される方は、ぜひ参考にしてみてください!