応用情報技術者試験に3回落ちて4回目で合格できた体験談
先日、応用情報技術者試験の4回目受験にて、ようやく合格できましたので、その時の体験談を紹介したいと思います。
自分は3回落ち続けましたが、なかなか合格できない人や、これから挑まれる方などの参考になれば幸いです。
目次
当日の試験について
出題範囲
応用情報技術者試験の試験範囲は、だいぶ広いです。
テクノロジ、マネジメント、ストラテジという大きな3カテゴリーの中から、かなりのボリュームが出題範囲として構成されています。
表にざっくりまとめると、こんな感じです。
詳しくは、過去問道場サイトでまとめてあります。
・午前試験の出題範囲&午後試験の出題範囲
https://www.ap-siken.com/aphani.html
出題形式
応用情報技術者試験は、午前試験と午後試験に分かれており、午前はマークシート形式、午後は筆記形式となっています。
午前試験
- マークシート式
- 選択肢は全て4択
- 全80問
- 制限時間150分
午後試験
- 記述式
- 11分野から5分野を選んで回答(うち1つは情報セキュリティの選択が必須)
- すべて長文問題。各問の中に、複数の設問がある
- 制限時間150分
合格ライン/合格率
午前と午後、ともに60点以上で合格です。一部免除の制度はないので、一発勝負です。
午前試験
- 60点以上
(80問中48問以上の正答で合格。絶対評価)
午後試験
- 60点以上
(5問100点満点のうち60点以上の正答で合格。相対評価)
詳しくは、応用情報の過去問道場で紹介されています。
・応用情報技術者試験の形式と合格基準
https://www.ap-siken.com/apkeisiki.html
また合格率はどの試験回も20%~25%になるよう調整されています。(詳しくは次節で説明)
・受験者数と合格者数の推移
https://www.ap-siken.com/aptoukei.html
鬼門は「午後試験」
受験者のブログやSNSなどを見てもわかりますが、応用情報技術者試験が難しいといわれるのは、やはり午後試験が鬼門だからです。
具体的に、こんな理由が難易度の原因となっています。
- とにかく制限時間が短い
- 長文ばかりで眠くなる
- 暗記だけの勉強法は通用しない
- 国語の読解力が試される
- 午前の知識は覚えていること前提の内容ばかり
- 文字数制限の筆記回答に慣れる必要あり
- 11分野のどれを選べばいいか判断が難しい
- 年度によって各問の難易度が変わったりする
- 相対評価なので点数調整もある
- 合格者の割合を調整しているらしい
- なんだか不公平な運ゲー感も混じってくる
とくに重要な部分は、「相対評価&合格割合の調整」です。
なんでも応用情報技術者試験では、どの試験回でも合格者が20%~25%前後になるよう、午後試験で合格不合格ラインの調整をしているそうです。また、午後試験は、マークシートではなく、記述式の筆記試験なので絶対の正解がわかりにくく、受験者の大問選択次第では難易度も変わったりするので、なんだか公平性に欠けるイメージもあって、難しいといわれる原因になっています。
ちなみに、午前試験で60点以上を取っていない人は、午後試験の採点はされません。
試験結果&合格証書
自分は、午前76.25点、午後69点で合格となりました。
応用情報技術者試験では、合格すると、ちゃんとした合格証書がもらえます。
4回目で合格ということもあって、人生で久々に嬉しいワンシーンでもありました。
正直、この試験回では午後ネットワークが難し過ぎて、「なんで選んでしまったんだ…」と不合格を覚悟していたのですが、それ以外の問題はそれなりに手ごたえがあって、結果として合格になって良かったです。
教材・勉強法・攻略法
教材や勉強法については、長くなるので別記事にまとめています。
不合格~合格までの体験談ダイジェスト
1回目の受験はナメてた
一応、自分の場合はweb関係で少し土台となる知識もあったもので、
午前をきちんと暗記しておけば、午後試験はアドリブでOKでしょ!
なんて甘い考えで、午後の勉強は全くのゼロで受験してみたところ、1回目の結果は「午前77.5点、午後54点」で不合格でした。
午後があと少しかー。じゃあ、少しちゃんと勉強すれば余裕じゃん
このように、甘い考えが全く抜けない、昔の自分です。今だから言えますが、この考えが本当にダメでした。その後、不合格続きになる悪因となったからです。
2回目の受験も午後試験をやっぱりナメてた
午後試験は少し対策すれば合格できるでしょ、と購入したのがこちら。
通称、緑本です。
合格者のブログなんかを読んでいると、応用情報技術者試験の午後対策は、これ一冊でOKという人がたくさんいます。
ただ、この時の自分は「午後試験は運ゲー」みたいにナメている心理状態でもあり、さらに過去問をやるとわかるのですが、「試験回によって、ほぼ正解になったり、ほぼ不正解になったり」という、なんとも運ゲーみたいな仕組みになっていることに気づきます。
こんな運ゲーに大事な人生の時間を使いたくない…
そう思ってしまったのが、敗因です。その後、せっかくテキストを買ったのに、あまり午後勉強をやりこまず、それとなく付け焼き刃の戦略だけを準備して、いざ「運ゲー」に挑む心境で受験をしたところ、2回目の結果は「午前80点、午後58点」で、またしても不合格でした。
あと、たった2点で合格だったん……?
ここで、ちょっとメンタルが折れました。
しばらく応用情報と距離を置く
正直、もう応用情報はいいやと諦めて、2年ほど放置していました。
午後試験の運ゲー具合に、だいぶウンザリしていたからです。そうして嫌悪感を抱きだすと、もはや勉強するモチベーションも上がらないので、いったん完全に距離を置くことにしました。
それでもやっぱり受かりたい気持ち
心の傷は、時間が癒してくれるものです。
それは資格試験も同様で、2年もの月日が経過するうちにマイナスな感情も薄れて、気づけば「応用情報に受かりたい」という欲が再び出てきました。
やっぱり絶対に合格したい…!
強い気持ちでそう思えるようになると、「今までのやり方ではダメだったから不合格だった」と素直に認めて、応用情報技術者試験に対する根本的な姿勢を改善しようと決意しました。
3回目の受験から取り組み方を根本から見直した
これまでの勉強法を振り返ると、自分はどこかで「応用情報は抜き打ちの実力試験」みたいに思っており、「あまり準備をせず出たとこ勝負をするべき。そうでないと実力が図れない」という勝手な思い込みをして、勉強がおざなりになっていた節もありました。
しかし、冷静に考えれば、「応用情報は資格試験」です。合格不合格の明確な評価があるのですから、「出たとこ勝負」なんてするより、「徹底的な対策をしてから勝負」をしたほうが圧倒的に効率が良いです。
つまり、きちんと傾向と対策を練り、運ゲーの中でも点数を確実に取っていく戦略をもって取り組んでいくべきだと反省するようになったのです。また、最初から「不合格になること」を見越しておいて、次回以降のチャレンジがスムーズになるよう勉強していくべきとも思いました。
また、そうやって努力を積み上げて身に着けた知識こそが、本当の「実力」になるのだとも、改心しました。(そんな基本的なことに気づけていなかったなんて、本当にアホです…)
そこで始めた新しい取り組みが「エバーノート」です。
勉強した内容を体系化したり、間違った問題をことごとくメモして、徹底的に「自分だけの攻略本」を作っていくことにしました。
(実際に作ったエバーノートの図。全分野まとめています。)
そうして3回目の受験をしたところ、結果は「午前66.25点、午後55点」と、なんと過去最悪のスコアになりました。
しかし、この時の自分は、全く凹んでいませんでした。
なぜなら、そもそも不合格は覚悟しての受験だったし、2年の経過で問題の傾向が少し変わっていたし、またノート作りに時間をかけていたので、あまり仕上げの勉強ができていなかったという、自分でも納得の結果だったからです。
合格するまで何度でも挑んでやる!
モチベーションは全く下がらず、次回のチャレンジへ続きます。
4度目の正直。知識の定着を感じながら合格
今回の準備は、今までとは異なり、遥かにスムーズなものでした。
エバーノートを作っていたおかげで、全体の復習が超スムーズでしたし、その分、午後試験の対策にも専念して取り組めるようになったからです。また、時間に余裕ができたので、Youtubeなどで、応用情報に関する説明動画を観て、さらに理解を深めることもできました。
明らかに今までより知識は定着していたし、午後の問題も解けるようになっていました。
わかる、わかるぞ!
なにかしらチャクラでも開いていたかもしれません。
今回も不合格でもいい。何度でも挑み続ける!
という精神でチャレンジしたところ、ついに「午前76.25点、午後69点」で、無事に合格できたのです。
わかったことは「午後試験は運ゲーではない」
何度も繰り返し勉強してわかったのですが、午後試験は確かに運ゲーではありつつも、その中では、常に一定の共通要素が存在します。
問題を解くコツ、回答する時の文章作成のコツは、全体的に役立つテクニックですし、分野によっては過去と酷似した内容が出る時などもあり、これは非常にラッキー問題となります。
つまり、たとえ運ゲーだとしても、そのラッキーを掴むチャンスを増やす努力はできる、ということです。
また、後になってわかったことですが、1回目と2回目に受験した時の午後試験を解き直してみたところ、「自分が選んでいなかったけど、その試験回では超簡単だった分野」の問題があり、それを選択していれば合格だったのだろう、という気づきもありました。
これも運ゲーじゃねえか、と言われたらそれまでなのですが、「ぱっと問題を見た時に解けそうか解けなさそうか」を判断する力は、過去問を反復しているほどに精度が増していきます。具体的には、見たことある問題が出れば超ラッキーです。
要するに、運を掴む確率を増やすためには、地道な努力しかないってことです。努力は必ず報われるわけではありませんが、努力しないことには運も掴めません。(これは応用情報に限らず、人生全般に言えることかもしれませんが。)
長くなりましたが、このように自分は応用情報技術者試験に受かることができたわけです。
ちなみに、落ち続けてから合格するまでに、取り組んだ勉強法・役立つテクニックなどの具体的内容は、こちらの記事にまとめています。
その他、補足・注意事項
生活リズムと昼寝は大事
自分の攻略法になりますが、応用情報技術者試験は、とにかく午後試験が鬼門です。
試験当日の午後、いかに集中できる体調を準備しておくか、は非常に重要です。普段から夜更かしをあまりせず、きちんと規則正しい生活を送り、睡眠時間を確保しておくことはもちろん、できれば試験当日の昼休み、しっかり昼寝をしておくことも推奨します。
自分はラッキーなことに、合格した試験回は、大学の広い教室が試験会場だったので、昼休み、後ろのほうの空いている席を使って、ガチ寝をしました。机に突っ伏すだけの昼寝でなく、複数の椅子の上に仰向けで寝そべって、本格的に寝たのです。
おかげで、午後試験では頭スッキリ。過去最高の集中力で挑むことができました。
正直、資格試験は受かるか受からないかが大事なので、恥も外聞も気にする必要はありません。自分がベストパフォーマンスを発揮できるように色んな試みをしてみることが大事です。(もちろん、周囲に迷惑をかけてはいけませんが。)
試験時期にSNSを開かない
試験が近づいてくると、Twitterを開けば、色んな人が勉強の進捗状況を投稿しています。
やばいと言っている人を見れば安心するかもしれませんが、カンタンと言っている人を見れば、なんだか自分の状況が心配になったりもします。
しかし、ここで大事なことは、これら他人の進捗状況の情報は全て、自分の合否には関係のないことです。はっきり言って時間の無駄なので、SNSを見ないように気をつけましょう。
試験において、頼れるものは自分の脳味噌だけです。そこをいかに鍛えるかにだけ集中しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
これから応用情報技術者試験を受ける方や、何度も落ち続けてメンタルつらい人などの参考になれば幸いです。自分の体験談でいえば、とにかく諦めないこと、何度も持続的&効率的にチャレンジし続ける体制を作ることが大事です!